ロキロキの雑記

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【感想】『ゴジラKOM』を見てきました

ようやく時間ができたので、見に行ってきました。率直な感想を言うと、2点だけ不満点はあるがそれを全て吹き飛ばすくらい面白かったです。ネタバレはいっぱい書きます。まだ見ていない人で怪獣プロレスに興味のある人は、字幕版を見てきてください。

 

【追記】この映画を見たから過去作を見直して思ったんですが、この映画を見る前に、vsシリーズを見た方がいいかもしれません。特に「vsキングギドラ」を。


godzilla-movie.jp

 

率直な感想

ゴジラがかっこいい!!!!!!!キングギドラがかっこいい!!!!!!!!すごい!!!!!!!!!!と言っていたら映画が終わっていました。ゴジラ映画はゴジラが主役なのです。私がこの映画に求めていたのは、強いゴジラ、強いキングギドラ、なんか色々頑張るんだけどけっきょく暴れるゴジラ達の行く末を見守るしかない人類、それでもゴジラに向かっていくごく少数の精鋭です。この4要素があればもう満足してしまいます。シンゴジラみたいな話もいいけど、大怪獣プロレスだって良いのです。なにやら突然奇行に走る登場人物もいましたが、怪獣をめぐる極限状態のことなので仕方がないでしょう。人物が動くのではなく、怪獣に動かされるのです。

 

今作のゴジラと怪獣について

もちろんKOMはそれだけにとどまらず、ゴジラを始めとした怪獣にきちんと意味付けしていたのも良かったです。ゴジラが人類の前に現れる理由は様々で、人類の愚行を修正するためということもあれば、息子を探すためだったり人類を守るためってこともありましたね。今回の怪獣達は、大自然を守護し人類の行き過ぎた物質文明を修正する存在というメッセージを持っていました。そして大自然を守護する最強の存在がゴジラです。物語のラストは、ゴジラを頂点とした自然秩序の再確認でしょう。

そして、怪獣という自然を殺そうとする人類は、キングギドラもろともゴジラを滅ぼそうとします。しかし、宇宙から来たキングギドラは地球の生物のようには倒されず、周囲の環境を自分のいいように変えていきます。怪獣は自然の象徴です。だから人類はゴジラと共生するしかないし、地球の大自然は王者であるゴジラに守ってもらうしかない。キングギドラが支配する自然にしてはならないのです。そのことを学んだ人類はゴジラとの共生を決めます。そしてエンドロールで見られたように怪獣のいる大自然は回復していく。怪獣を倒し大自然を征服することしか考えていないようではいけないということです。このあたりの描写は薄かったかもしれませんが、間違いなくゴジラKOMには大自然の力強さと大切さに関するメッセージが含まれていましたし、感じるとこができました。このメッセージを作品と怪獣に込め伝えてくれる監督の手腕には感無量です。

 

怪獣がカッコいい

また、怪獣プロレスがかっこよかったです(偏差値の低下)。なんかキングギドラはすごい動くし、強い。ゴジラの背びれも光ってカッコいいし、強い。そしてその二匹がなんかまぶしい光線を吐き出しながら戦っている。映像は令和ゴジラという感じ。さすがハリウッド。特撮の着ぐるみもいいけど、令和のCGパワーもすごい。どデカい怪獣の絵が描いてあって、背景に稲妻が走っている絵を、今回は映像で見れた。子供の時の夢が叶った気がします。なんだかピカピカ光っていてよくわからないかもしれませんが、カッコいいことはわかるので全く問題がないです。怪獣同士が戦うとカッコいい。バーニングゴジラのような形態も出てきたのがうれしかった。私はvsデストロイアが好きである、カッコいいので。あと、火山から登場し大空を飛ぶラドンのシーンも好きでした、カッコいいので。

 

好きな人物について

人物にフォーカスすると、芹沢博士が好きでした。特に核爆弾を持ちながらゴジラに向かって洞窟の奥へ沈んでいくシーンは涙なしでは見られませんでした()。これはゴジラ復活のために核爆弾を与えないといけないけど、渦に飲み込まれたせいでミサイルを発射できない。そこで、誰かがゴジラの近くに行き手動で爆発させなければならない。それを自ら志願して、完璧にやってのけるというシーンです。あの場面でゴジラに向かっていけるのがすごい。あの場にいた誰よりもゴジラを追い求め、ゴジラを研究してきた過去を持つ、そして人類と大自然であるゴジラが共生していく未来を思い描いていたからできたのです。過去の研究があって今の芹沢博士があり、共生の未来を思い描くから自分が行かなければならないとなる。自分にしかできない使命を直感的にわかっているからこそ、盛大に神殿を破壊することができるし、何より散り際が潔い。そういうところが魅力なんだと思います。最後にゴジラ相手に日本語で話しかけるシーンでは震えました。博士のゴジラに対する情熱と、未来へ託す思いが伝わってきました。このシーンのためだけに、この作品は字幕版で見るべきではないでしょうか。

 

今作の不満点について

ここまでべた褒めばかりしていますが不満点もあって、モスラオキシジェンデストロイヤーは個人的に微妙であると思いました。

オキシジェンデストロイヤーですが、あの1954ゴジラを沈め、その後のゴジラ作品でも神聖視されている兵器の名前を冠している割には、あんまりにも普通のちょっと強そうなミサイルみたいな感じで飛んで行ったので悲しかったです。もちろん、”例のあの名前”を使いたくなるのはわかります。物語の展開上、ゴジラを始めとした地球上の生物全てに効果があり、地球の理を外れた生き物には全く無力で、しかも人類に作れそうな兵器となると、過去のゴジラ作品を思い返してもオキシジェンデストロイヤーくらいしか浮かばないのもわかります。それでも、この名前の兵器を使うならもう少しこの兵器を掘りさげて、何か尋常ならざる超兵器という扱いにしてほしかったです。

モスラに関してですが、これは私の個人的な思いですが、モスラには人類の何らかの思いに呼応して登場して欲しかったです。モスラを始めとした怪獣は大自然の守護者で、モスラ大自然のために戦うということはわかります。しかし、せっかくあの博士の娘はモスラの幼虫に出会ったし、キングギドラに襲われたので、モスラを呼んでもよかったのでは?と思います。そもそも、モスラはあんな機械ではなく人類一人一人とまっすぐ対話して欲しかったです。モスラにはもう少し人類と向き合って欲しかった。ただ、幼生モスラは描写の限りだと、攻撃されても人を殺生しておらず、糸で動きを封じているふうに見えます。口にくわえても糸の方へ投げ飛ばしている(それで死んでいるかもしれませんが)。それだけは評価します。

あと、モスラには鱗粉攻撃もしてほしかった。あんな小物のラドンを足で刺すだけじゃなくて、キングギドラへの鱗粉攻撃をした後、ゴジラに全てを託して散っていってほしかったです。ラドンもそうだそうだと言っています。

 

まぁこんな感じで不満点がないわけではありません。しかし、私がゴジラ映画として見たかったものが全部見れたので、大満足です。そもそも映画のタイトルを今一度よく読むと”Godzilla”と書いてあるし、もっとよく見ると"King of the Monsters"と書いてありそれはゴジラのことなので、ゴジラが良ければ全て良いのです。この作品への究極の感想を言うと、ゴジラがカッコいい」で終わりますし、十分です。私でもわかるゴジラ映画へのリスペクトが多々ありましたし、ゴジラが好きな人なら一見の価値があると思います、これまでのゴジラ作品で体内に培ってきたゴジラ細胞が反応するので。ついでに私の個人的に好きなゴジラ映画を「vsデストロイア」と「1954」以外で挙げると、「機龍2作品」になります、世代なので(?)。

 

おわり